年長クラス
見て・感じて・つくり出す子どもたちの学び
2025-12-24
1.活動のテーマ
<テーマ>
広がる世界
<テーマの設定理由>
子どもたちの「やってみたい!」という気持ちを出発点に、そこから生まれる発見・ひらめき・関わりを大切にしながら、“遊び”がどのように深まっていくかを、子どもと一緒に楽しみながら育てていくことが目的とする。
この実践は、秋川とうもろこし畑での体験を出発点に、
さつまいも・野菜・色・表現・お店屋さんへと連なっていった、
**“食と生活がつながる探究の物語”**です。
さつまいも・野菜・色・表現・お店屋さんへと連なっていった、
**“食と生活がつながる探究の物語”**です。
2.活動スケジュール
活動内容 時間/回 人数/回
① 5月 さいつまいもの苗植え クラス単位
② 1学期 成長観察 クラス単位
① 5月 さいつまいもの苗植え クラス単位
② 1学期 成長観察 クラス単位
③ 2学期 作物からの活動 クラス単位
④ 11月 収穫・表現・実現 クラス単位
※育てるもの → つくるもの → 分け合うものへと、子どもたちの中で意味を深めていきました。
3.環境をデザインする
●準備した物 スマートフォン(音の記録用)
●さつまいも
●ホットプレート
●油・砂糖
●紙コップ
●画用紙
●ホットプレート
●油・砂糖
●紙コップ
●画用紙
3.探究活動の実践
1.5月 ― さつまいもの苗植え
「できたら、〇〇屋さんやりたい!」
5月、さつまいもの苗植えを行いました。
苗をそっと土に入れながら、子どもたちは口々に話します。
「おいもができたら、大学芋やさんがいい!」
「芋けんぴやさん!」
「焼き芋屋さんもやりたい!」
この時点ではまだ、
収穫までの長い時間も、できる量も分かりません。
それでも、“できた先の世界”を思い描く言葉が自然と生まれていました。
2.待つ時間 ― 成長を見に行く、という日常
その後、畑へ散歩に行っては成長を観察する日々が続きました。
「大きくなってる?」
「葉っぱ増えてるよ」
「まだかなぁ」
収穫を目的とした活動というより、
**“気になるから見に行く”**という生活の一部として、
さつまいもは子どもたちの中にあり続けました。
3.芋掘り ― 体ごと味わう収穫
秋、いよいよ芋掘り。
手も顔も、服も真っ黒にしながら、
土の中からさつまいもを引き抜きます。
「見て!こんなに大きい!」
「こっちは赤ちゃんいもだ!」
力を込めて引っ張り、土の重さや匂いを感じ、
**“育ったものを自分の手で得る”**経験を、全身で味わっていました。
4.見ることで、知ろうとする ― 観察から表現へ
収穫したさつまいもを前に、
「これ、どうなってるんだろう?」
「中はどんな形かな?」
という声が上がりました。
そこで、さつまいもをじっくり見て、
色や形、大きさに気づいたことを描いて表す時間を持ちました。
これは「描かせる」活動ではなく、
見て・触れてきた経験を、もう一度確かめ、残そうとする行為でした。
描かれたさつまいもは、どれも違い、
それぞれの子どもが見てきた“いも”そのものでした。
5.実現する ― やまぐみ いもフェス 2025
そして、あの5月の言葉が、現実になります。
「やまぐみ いもフェス 2025」開催。
蒸したさつまいもを切り、
チケットを作り、
看板を描き、
入口・テーブル・椅子を並べる。
担任が指示を出さなくても、
「〇〇作ろう!」
「じゃあ、わたしこれやるね」
と、子どもたちは自然に役割を見つけ、動き出していました。
これまで何度も経験してきた
お店屋さんごっこの積み重ねが、
ここで確かな力として現れていました。
6.振る舞う ― つくるから、分かち合うへ
さつまいもを油と砂糖で絡め、
紙コップによそい、他学年へ振る舞います。
「いらっしゃいませ!」
「甘いよ!」
自分たちで育て、掘り、考え、作ったものを
**“誰かに食べてもらう”**という経験。
食べ物は、
育てるもの → つくるもの → 分け合うもの
へと、子どもたちの中で意味を深めていきました。
7.この活動が生まれた理由 ― これまでの積み重ねの中で
この実践は、単独で生まれたものではありません。
秋川とうもろこし畑で
「見て、驚き、育ちを知った」経験。
そら豆、とうもろこし、玉ねぎ、落花生に触れ、
匂い・手触り・変化を感じてきた日々。
玉ねぎの皮から色水をつくり、
それを運動会の旗へとつなげた表現の経験。
そうした
「作物とは何か」「育つとはどういうことか」
を、体験として学んできた背景があったからこそ、
さつまいもは
“ただの収穫物”ではなく、
次の世界をひらく存在になったのです。
5.振り返り
おわりに ― 広がる世界は、これからも
苗を植えた日、
子どもたちは未来の店を思い描いていました。
その言葉は、
待つ時間を経て、
土に触れ、
描き、
作り、
分け合うことで、
確かな現実になりました。
こうして、
畑と生活、遊びと行事は、切り離されることなくつながり、
子どもたちの世界は、また一つ広がりました。
次の「やってみたい!」は、
きっと、もう芽を出し始めています。
苗を植えた日、
子どもたちは未来の店を思い描いていました。
その言葉は、
待つ時間を経て、
土に触れ、
描き、
作り、
分け合うことで、
確かな現実になりました。
こうして、
畑と生活、遊びと行事は、切り離されることなくつながり、
子どもたちの世界は、また一つ広がりました。
次の「やってみたい!」は、
きっと、もう芽を出し始めています。
