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令和7年度

年長クラス

くさばな水族館~水のきらめきから始まった海の世界~

2025-05-24
注目NEW
1.活動のテーマ
<テーマ>
広がる世界

<テーマの設定理由>
子どもたちの「やってみたい!」という気持ちを出発点に、そこから生まれる発見・ひらめき・関わりを大切にしながら、“遊び”がどのように深まっていくかを、子どもと一緒に楽しみながら育てていくことが目的とする。
2.活動スケジュール
活動内容 時間/回 人数/回
① 水遊び 30分程度 5人1組
② 見立て遊び  10分程度5人1組
③ 制作     1週間 10人程度1組
④ ごっこ遊び  1週間 全体
3.環境をデザインする
●準備した物 スマートフォン(音の記録用)
●ブルーシート
●草花
●ホース
●スズランテープ
●マジック
●絵具
●養生テープ
●ラミネートフィルム
3.探究活動の実践
● ある朝のキラキラからすべてが始まった
4月17日のこと。園庭で自由に遊んでいた年長さんたちが、大きな土管の中にペットボトルで水を入れていた。

「ねえ、見て!なんかキラキラしてる!」

水が反射して、土管の中がまるで宝石箱みたいに光っていた。
「きれい~!」
「もっと水入れてみようよ!」と大盛り上がり。
保育者がホースを用意し、子どもたちがみんなでジャーッと水を注いでいった。
そこへ、一人の子が園庭の草花を摘んできて、静かに水の中へ。
「これ、魚みたいじゃない?」
「水族館だね!」
そのひとことから、水族館見立て遊びがぐんぐん展開していった。

●「ぜんぶ海にしたい!」からの大プロジェクト
「先生、もっと大きい水族館にしたい」
「保育室を海にしようよ!」

そんな声があちこちから聞こえてきた。
ということで、“くさばな水族館プロジェクト”がスタート!

まずは、海ってどんなところ?どんな生き物がいるの?

水族館に行ったことがある子もいれば、初めて聞く子も。だからみんなで、動画を見たり、図鑑で調べたり、海の絵本を読んだりしてイメージを広げていった。

「クラゲって透けてるんだね」
「深海魚は光るの!?」「暗いところで見てみたい!」

●海の中って、こういうこと!
保育室を海にするために、いろいろな工夫が生まれた。
青いスズランテープを天井から吊るして「波」にしたら、「泳いでるみたい!」と歓声が上がる。
ラミネートフィルムに描いた魚たちを吊るすと、「この魚、僕が描いたやつ!」「見て~、クラゲ浮いてるよ~!」とにぎやかに。
大型模造紙にクレヨンと絵具で、岩場や海藻、小さなすみかを描いて、「ここにカニが住んでる!」「タコの隠れ家も作ろうよ」
ペットボトルにはカラーフィルムと水を入れて、きらきら輝く“深海魚”が完成。「ライト当ててみよう!」「おお~、光ってる!」

●「水族館へようこそ!」みんなが案内係
水族館が完成した日。
年長さんたちは他クラスのお友だちや先生たちを招待して、「くさばな水族館」をオープン!

「こんにちは~!こっちにイルカがいますよ!」
「この魚はね、夜になると光るんだよ」
と案内係になって、自分たちで作った作品を誇らしげに紹介していた。

そして、さらなるひらめきが…

「海の音、流したらもっと本物っぽくなるんじゃない?」
タブレットから波の音を流すと、「すごーい!本当の海みたい!」と大喜び。

給食の時間も「このまま海の中で食べようよ!」と、海に囲まれての“海ごはん”。
「サメに食べられちゃうかも~」なんて声も飛び出しながら、笑顔いっぱいの時間が流れていった。
4.活動の様子が分かる写真
5.振り返り
子どもたちはこの活動を通して、

「こうしたい!」という気持ちを形にする力

友だちと一緒に考え、話し合って、協力する力

見たものや感じたことを表現する力

人に伝える喜びや自信

を自然と身につけていった。

何気ないひとしずくのきらめきから、みんなでひとつの世界をつくりあげた「くさばな水族館」。
この経験はきっと、子どもたちの心のどこかで、ずっと輝き続けるはず。

これからも、そんな“やってみたい!”を見逃さず、みんなでわくわくする毎日を育てていきたい。
そんなふうに思わせてくれる、素敵な探究活動であった。
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