本文へ移動

園のブログ

ブログ

「星の世界へようこそ!」― 空き箱の光から始まった、年長組の星の世界 ―

2026-09-15
重要NEW
「星みたい!」

始まりは、身近にあった一つの空き箱でした。

箱に開いた小さな穴から光が差し込み、暗い箱の中に小さな光が浮かび上がったとき、子どもたちが足を止めました。

誰かが用意した「星の活動」ではありません。

何気ない生活の中で見つけた小さな光を、子どもたちが自分の知っている夜空と重ねたことから、長く続く星の世界が始まりました。
「本当の星も見てみたい」
空き箱の中に見つけた「星みたいな光」。

そこから子どもたちの目は、本物の夜空へと向かいました。

園で生まれた関心を家庭へ持ち帰り、今度は家族と一緒に夜空を見上げます。

そして翌日、幼稚園にはそれぞれが見つけた星の話が集まってきました。
「こんな星があったよ」「ぼくはこっちで見たよ」同じ空を見ていても、見つけたものや感じたことは一人ひとり違います。

自分が見た星を友だちに伝え、友だちが見た星を知る。

一人の経験が持ち寄られることで、星は少しずつ「みんなのもの」になっていきました。
「自分たちでも星空をつくりたい!」
たくさんの星の話をしているうちに、今度は、「自分たちでもつくりたい!」という思いが生まれました。

大きな段ボールを使って暗い空間をつくり、光を当てながら試していきます。

「ここにも星がほしい」「もっと暗くしたい」作って終わりではありません。

実際に中へ入ってみる。

光を当ててみる。

見え方を確かめる。

そして、また変えてみる。

子どもたちは、自分たちが思い描く星空へ近づけようと、何度も試していました。

やがて完成したのが、「やまぐみプラネタリウム」です。
「みんなにも見てもらいたい」
自分たちのプラネタリウムができると、今度は、「見てもらいたい」という気持ちが生まれました。

保護者や他の学年の子どもたちを招待して、やまぐみプラネタリウムを開きました。

ここで子どもたちの視点が少し変わります。

自分たちが楽しいかどうかだけではなく、「ここから見えるかな?」「もっと暗い方がいいかな?」と、見に来てくれる人のことも遊びの中に入ってきました。

自分が見つけた面白さを、誰かにも感じてもらいたい。

そんな思いが、星の遊びをさらに広げていきました。
自分たちでつくったからこそ、本物を見に行く
その後、子どもたちは科学館へ出掛け、本物のプラネタリウムを体験しました。

今回大切にしたのは、最初に「本物」を見せなかったことです。

まず、自分たちで考える。
暗くしてみる。
光を当ててみる。
うまく見えなければ、また試してみる。

そんな経験を十分にしたあとで、本物のプラネタリウムに出会いました。

だからこそ、子どもたちが見ていたのは星だけではありませんでした。

天井いっぱいに広がる光。
星が動いて見えること。
真っ暗な空間。
寝転んで空を見上げること。

それまで自分たちが試してきた経験があるからこそ、本物との出会いにもたくさんの発見がありました。

本物を見ることが「答え」ではなく、自分たちの経験をもう一度見つめ直す機会になりました。
今度は「自分の光」をつくってみる
科学館での経験を経て、星の遊びはもう一度幼稚園へ戻ってきました。

今度は大きな段ボールではなく、一人ひとりが自分の光をつくります。

使ったのは、画用紙、透明テープ、カラーマジック、そして懐中電灯。

描いたものに光を当ててみると、色や形が別の場所へ映し出されました。

近づけてみる。
離してみる。
動かしてみる。
「こうしたらどうなる?」子どもたちは、作ることと試すことを行ったり来たりしながら、自分なりの光をつくっていきました。
「星の世界へようこそ!3、2、1!」
そして、いよいよ「やまぐみプラネタリウムシアター」の日。

他学年の子どもたちを真っ暗な保育室へ招待しました。

お客さんには、床に寝転んでもらいます。

準備が整うと、やま組の子どもたちの声が響きました。

「星の世界へようこそ!」「3、2、1!」一斉に懐中電灯をつけると、天井いっぱいに色とりどりの光が広がりました。

一人ひとりが作った光は、それぞれ違います。

けれど、同じ天井に映してみると、光と光が重なり、一人ではつくることのできない大きな景色になりました。

自分の光を動かしながら、お客さんの様子を見る子どもたち。

空き箱の中の光を見つめていた子どもたちは、いつの間にか、自分たちの手で誰かを「星の世界」へ招く側になっていました。
空き箱から、ここまでつながった
活動の最後には、これまで撮影してきた写真をみんなで振り返りました。

空き箱の小さな光。
家族と見上げた夜空。
友だちが見つけた星。
大きな段ボールのプラネタリウム。
そこへ招待した家族や他学年。
科学館で見た本物のプラネタリウム。
そして、自分たちの光でつくったプラネタリウムシアター。

振り返ってみると、どれも別々の活動ではありません。

「星みたい」という一つの気づきが、「本物を見てみたい」「自分たちでもつくりたい」「みんなにも見てもらいたい」「本物はどうなっているんだろう」「今度は自分の光をつくりたい」と、次の経験を生み出してきました。
小さな気づきが、子どもの世界を広げていく
今回を、やま組の「プラネタリウム最終章」としました。

しかし、子どもたちの中に残った経験まで、ここで終わるわけではありません。

これから夜空を見上げたとき。
暗い場所に小さな光を見つけたとき。
懐中電灯を手にしたとき。
今回の経験が、ふと重なることがあるかもしれません。

保育の中で大切にしたいのは、立派なプラネタリウムを完成させることだけではありません。

日々の生活の中で子どもが「おもしろい」と立ち止まった小さな気づきを、すぐに答えへ導くのではなく、見たり、試したり、友だちと話したり、家族や地域へつないだりしながら、十分に味わえるようにすることです。

一つの空き箱に差し込んだ小さな光から、家庭、友だち、科学館、他学年へ。

子どもたちの世界は、経験と経験がつながることで少しずつ広がっていきました。

これからも、そんな日常の中の小さな気づきを見逃さず、その先にどんな世界が広がっていくのか、子どもたちと一緒に楽しんでいきたいと思います。
TOPへ戻る