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園のブログ

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見て・感じて・つくり出す子どもたちの学び

2025-12-24
注目NEW
はじめに ― 学びは、畑と生活を行き来しながら育つ
草花幼稚園では、
子どもたちの
「見たい」「やってみたい」「つくりたい」
という気持ちが、遊びや生活、行事へと自然につながっていく過程そのものを、大切な学びと捉えています。

今回ご紹介するのは、
**秋川とうもろこし畑での体験
を出発点に、さつまいも・野菜・色・表現・お店屋さんへと広がっていった、
“食と生活がつながる物語”**です。
5月 ― 苗を植えながら、未来を思い描く
5月、年長クラスでさつまいもの苗植えを行いました。
土にそっと苗を寝かせながら、子どもたちからこんな声が聞こえてきました。

「おいもができたら、大学芋やさんがいい!」
「芋けんぴやさんもできるんじゃない?」
「焼き芋屋さんもやりたい!」

まだ収穫の時期も量も分からない中で、
子どもたちはすでに“その先の世界”を思い描いていました。

この時点では、
それが本当に実現するかどうかは、誰にも分かりません。
それでも、
**「できたら、やりたい」**という言葉が、確かに芽を出していました。
待つ時間 ―「気になるから、見に行く」
苗植えのあと、畑へ散歩に行くたびに、子どもたちは立ち止まります。

「大きくなってる?」
「葉っぱ、増えてるよ」
「まだかなぁ…」

さつまいもは、“特別な活動”ではなく、日常の中で気になる存在として、子どもたちの生活にあり続けました。

育つ様子を見に行くこと自体が、子どもたちにとっての大切な時間でした。
秋 ― 土の中から現れた「育ち」
秋になり、いよいよ芋掘りの日。

手も顔も服も土だらけになりながら、
力いっぱい引っ張る子どもたち。

「見て!こんなに大きい!」
「こっちは赤ちゃんいもだ!」

土の重さ、匂い、手応え。
育っていたものを、自分の手で掘り出す経験を、
全身で味わう姿がありました。
見ることで、知ろうとする ― 観察から表現へ
掘り出したさつまいもを前に、
子どもたちはじっと見つめます。

「これ、どうなってるんだろう?」
「中、どんな形かな?」

そこで、さつまいもをよく見て、
形・色・大きさに気づいたことを描いてみる時間を持ちました。

これは「描くこと」が目的ではなく、
見て・触れてきた経験を、もう一度確かめるための表現でした。

描かれたさつまいもは、どれも違い、
それぞれの子どもが見てきた“いも”そのものでした。
実現する ― やまぐみ いもフェス 2025
そして、5月に聞こえてきた言葉が、現実になります。

「やまぐみ いもフェス 2025」開催。

蒸したさつまいもを切り、
チケットを作り、
看板を描き、
入口やテーブルを並べる。

担任が細かく指示をしなくても、

「これ作ろう!」
「じゃあ、わたしこれやるね」

と、子どもたちは自然に役割を見つけ、動き始めました。

これまで何度も経験してきた
お店屋さんごっこの積み重ねが、
ここで確かな力として表れていました。
分け合う ― 食べ物の意味が深まる瞬間
油と砂糖で絡めたさつまいもを紙コップによそい、
他のクラスのお友だちへ。

「いらっしゃいませ!」
「甘いよ!」

自分たちで育て、掘り、考え、作ったものを、
誰かに食べてもらうという経験。

食べ物は、
「育てるもの」
「つくるもの」
「分け合うもの」
へと、子どもたちの中で意味を深めていきました。
この活動を支えていた、これまでの経験
この実践は、突然生まれたものではありません。

秋川とうもろこし畑で、
育つ姿を見て驚いたこと。

そら豆、とうもろこし、玉ねぎ、落花生に触れ、
匂いや手触り、変化を感じてきた日々。

玉ねぎの皮から色水をつくり、
それを運動会の旗へとつなげた表現の経験。

そうした積み重ねがあったからこそ、
さつまいもは
「ただの収穫物」ではなく、
次の世界をひらく存在になったのです。
おわりに ― 広がる世界は、これからも
苗を植えた日、
子どもたちは未来のお店を思い描いていました。

その言葉は、
待つ時間を経て、
土に触れ、
描き、
作り、
分け合うことで、
確かな現実になりました。

畑と生活、遊びと行事は切り離されることなくつながり、
子どもたちの世界は、また一つ広がりました。

次の「やってみたい!」は、
きっと、もうどこかで芽を出し始めています。
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