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令和8年度

年長クラス

【年長】すくわくプログラム実践 6月

2026-06-19
1.活動のテーマ
<テーマ>
街

<テーマの設定理由>
4月からの活動では、幼稚園探検や街探検、おにぎり散歩、スーパー見学などを通して、子どもたちは街の中にある人や仕事、役割に目を向けるようになっていった。

「先生ってなにしてるの?」「おにぎりを作る人がいる」「売る人もいる」といった気づきを重ねながら、街は多くの人によって支えられていることを感じ始めていた。

そんな中、ある子どもが空き箱をのぞき込みながら、
「みて、夜になるよ」「お星さまがある」
とつぶやいた。

これまで地面や建物、人へ向いていた視線が、今度は街の上に広がる空へと向かい始めた瞬間であった。

そこで本活動では、子どもたちが抱いた星への関心を起点とし、家族や友達と経験を共有しながら、身近な空や夜の世界への理解を深めていくことを目的とした。
2.活動スケジュール
活動内容 時間/回 人数/回

・空き箱遊びの中で夜空をイメージする
・星への関心や疑問の共有
・家庭での星空観察
・夜空の写真の持ち寄り
・星や空についての話し合い
・プラネタリウムづくり
・他学年や保護者への公開
・本物のプラネタリウム見学
・経験の振り返りと神輿づくりへの展開
3.環境をデザインする
【環境】
子どもたちが日常の中で感じた疑問や発見を共有できるよう、対話の時間を大切にした。また、家庭での経験も園で共有できるような環境を整えた。

【人的環境】
保護者に協力を依頼し、家庭で星空観察を行う機会を設けた。園では友達同士が発見を伝え合い、互いの経験から学び合えるようにした。

【物的環境】
・空き箱
・段ボール
・画用紙
・ライト
・iPad
・星空写真
・記録用スマートフォン
・模造紙
・プラネタリウム入場券
・幼稚園バス
・スピーカー
子どもたちが自ら試行錯誤しながら夜空を再現できるよう素材を準備した。また、一人ひとりの経験を可視化し共有するため、写真や模造紙を活用した。

【活動環境】
保育者が活動内容を決めるのではなく、子どもたちの発言から活動が展開するようにした。
「どうしたら星が見えるかな?」「みんなで見られるかな?」
という問いから、実際に作りながら考えられる環境を整えた。
3.探究活動の実践
<活動の内容>
◆ 「みて、夜になるよ」
ある日、空き箱をのぞいていた子どもが、「みて、夜になるよ」「お星さまがある」と話した。
周囲の子どもたちも箱をのぞき込み、「ほんとだ」「なんか夜みたい」と不思議そうに見つめていた。
▶ 子どもの気づき
普段見上げている空とは違う「夜」という世界をイメージし始めている。
▶ 保育者の関わり
「お星さまってどこにあるんだろう?」と問い返し、子どもたちの関心を共有した。

◆ 星はどこにあるんだろう
活動を続ける中で、「昨日、お星さま見たよ」「お家から見えるよ」という声が増えていった。
そこで家庭にも協力をお願いし、夜空の写真を撮ってきてもらうことにした。
▶ 子どもの気づき
星は園だけでなく、自分の家からも見える存在であることに気づいている。
▶ 保育者の関わり
園内だけで完結させるのではなく、家庭での経験を園へ持ち寄れるようにした。

◆ 空はつながっている
集まった写真をiPadに映し出しながら、「これは〇〇くんのおうち」「これは先生のおうち」と見比べていった。
すると、「どこにもお星さまある」「みんなつながってる」という声が聞かれた。
▶ 子どもの気づき
住んでいる場所は違っても、同じ空を見ていることに気づいている。
▶ 保育者の関わり
写真を並べて比較できるようにし、一人ひとりの経験を共有できる場をつくった。

◆ みんなで見られる星のおうちを作ろう
話し合いの中で、「もっと大きいお星さまのおうちをつくろう」「みんなで見たい」という声があがった。まだ「プラネタリウム」という言葉を知る子はいなかったが、「段ボールでつくる!」「穴あける!」「暗くする!」とアイデアが次々に出てきた。
▶ 子どもの気づき
一人で見る星ではなく、みんなで共有できる星空を作ろうとしている。
▶ 保育者の関わり
実現方法を教えるのではなく、子どもたちの考えを出し合いながら形にしていけるよう支えた。

◆ 試して、作り直して、また試す
段ボールに穴を開け、画用紙で光を遮り、ライトを当てる。
しかし最初からうまくいったわけではなかった。
「ここから光が入る」「もっと暗くしたい」と何度も作り直していた。
完成までの数日間、教室を暗くし、ライトの光だけで給食を食べることも楽しんでいた。
▶ 子どもの気づき
イメージしたものは試しながら作り上げていくことに気づいている。
▶ 保育者の関わり
失敗を修正する時間を保障し、試行錯誤を支える環境を整えた。

◆ やまぐみプラネタリウム
完成した星のおうちは、「やまぐみぷらねたりうむ」として他学年や保護者を招待することになった。
「こっちだよ」「きれいでしょ」と嬉しそうに案内する姿が見られた。
▶ 子どもの気づき
自分たちが作ったものを誰かと共有する喜びを感じている。
▶ 保育者の関わり
活動をクラス内で終わらせず、他者との関わりへ広げられるようにした。

◆ 本物のプラネタリウムへ
ある子どもが、「本物のプラネタリウム行ったことあるよ」と話した。
すると、「みんなで行きたい!」という声があがった。
そこで実際にプラネタリウムを訪れることになった。
大きなドームいっぱいに広がる星空を見ながら、「いっぱいある!」「ほんものみたい!」と驚く姿が見られた。
▶ 子どもの気づき
自分たちが作った世界と本物を比べながら理解を深めている。
▶ 保育者の関わり
子どもたちが抱いた憧れや疑問を実際に確かめられる機会をつくった。

◆ 経験を未来へつなぐ
活動を振り返る中で、「お神輿に星をつけたい」「電車もつけよう」「おにぎりもあったよね」という声が聞かれた。
これまで街をテーマに経験してきた出来事を神輿に乗せようというアイデアが生まれたのである。
▶ 子どもの気づき
一つひとつの経験が別々ではなく、自分たちの物語としてつながっていることを感じている。
▶ 保育者の関わり
模造紙や対話を通して経験を振り返り、これまでの探究が次の活動へつながるよう支えた。

4.活動の様子が分かる写真
5.振り返り
今回の活動では、空き箱遊びの中で生まれた小さな気づきから、子どもたちの関心が夜空や星へと広がっていった。

特に、「自分の家から見える星」から「みんなの家から見える星」へ、そして「みんなで見る星」へと視点が広がっていったことは大きな変化であった。

また、家庭での経験を持ち寄ることで、一人ひとりの発見が共有され、「街として空はつながっている」という理解へとつながっていった。

さらに、自分たちで星のおうちを作り、本物のプラネタリウムと出会う中で、想像と実際を行き来しながら理解を深める姿が見られた。

これまでの「街」の探究を通して出会った人や仕事、乗り物、そして今回の星空までもが、子どもたちの中では一つの経験としてつながり始めている。

今後も、子どもたちの気づきを出発点とし、その問いが次の探究へとつながっていくような環境構成と関わりを大切にしていきたい。
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